青柳米の生産地、秋田県大潟村は、旧・八郎潟を干拓して誕生した新生の大地です。何万年という歳月をかけて堆積した魚介類などの栄養分がたっぷり含まれた土壌からできており、米作りの適地といえます。
この大地がもつすばらしい自然の力を最大限に引き出すため、入植以来30年以上、おいしいお米作りの原点となる「土作り」に一生懸命励んできました。
青柳農場の工夫その1:乾燥化
〜暗渠(あんきょ)排水〜
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大潟村はもともと湖だったため、排水をよくする暗渠排水工事を行い、土壌の乾燥化(土地改良)を進めてきました。 |
暗渠パイプには無数の穴が開いていて、地表及び地中の水分を籾殻→暗渠パイプ→排水路へと誘導・排水します。 |
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暗渠排水によって土の中に含まれる水分が少なくなると、土の中に空気(酸素)が入り込み、固まっていた土が細かく分かれます。(乾燥化)
稲は根から酸素を吸収しています。ですから、稲の健全な生育は、土や水の中にいかに多くの酸素が含まれているかにかかっているのです。
また、過湿状態から乾燥化が進むと、微生物もより元気に活動して、その数も増えます。
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青柳農場の工夫その2:有機物(堆肥)施用
土に施された有機物は、土中にいる微生物により、徐々に分解されます。細かく分解された有機物は土の中に混ざり込みます。まるで土か有機物かの区別がつかぬほどに、有機物に包まれた土のようになります。こうして、10年〜20年という長い時間の中で、有機物施用の成果がじっくりと出てくるのです。 |
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【団粒構造の土】(左側)・・・細かい土の粒が塊になって集合している(団粒)ので、団粒と団粒の間に隙間がある。=この隙間には酸素、栄養分、水分が入り込み、稲にとって生活しやすい環境となる。また土壌の緩衝能力が向上します。
【単粒構造の土】(右側)・・・土の細かい粒がバラバラでぎっしりとつまっているので隙間がごく少ししか残らない=水はけが悪く、根の成長も悪い。 ↓
そして自然界の微生物が活躍します。
スプーン1杯の土には、地球の人口と同じくらいの数の微生物が住んでいます。〜有機物は微生物の生き生きとした活動を助けます。 |
〜微生物の活動でわかりやすい例として〜
大豆が納豆菌や麹(こうじ)菌によって納豆や味噌になります。土の中の微生物は次のような働きをしています
1.有機質肥料を分解して、稲に吸収しやすくします。
2.空気中のチッソを固定します。(根粒菌)
3.根に取りついて病原菌から稲の根を守りながら、土中の養分を根に運びます。(VA菌)
4.稲に効きにくいリン酸やカルシウム、微量要素を溶かして根に運びます。
5.作物に悪さをする虫(ネコブ線虫)を食べて、減らします。(放線菌)
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青柳農場の工夫その3: 稲にやさしい究極の土を目指して
〜土壌の緩衝能力の向上〜
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土の団粒構造化が進むほど、土は稲に対して「やさしく」なります。その理由は、土に含む栄養分を一気に稲に吸収させずに、じっくりと吸わせることができるからです。
雨が少ない旱魃(かんばつ)時には急激にしおれること無く、また大雨の時には過湿の害が出にくく、稲はじっくりと耐えます。 |
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酸素や栄養分や水分を保ち続ける 能力が高い
(土が稲に対して急激な変化を与えないように緩衝(クッション)の役割を果たしている。)
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